これ書いたから白2買ってくる

二年前に発売されたポケモンBWだが、クリア後のエクストラダンジョン的なところで暗号文(ゲーム中ノーヒント、たぶん現在も解答は公式に発表されていないはず?)が登場した。なにやらテキストデータの解析だかナンダかで解読されたそうですが、そんなことは露知らず読もうと頑張った二年前のメモをば見つけたのでBW2発売日の今日に記事として纏めることにする。

作中、クリア後に行ける町の沖に海底遺跡があり、そこは一定歩数進むと追い出される仕様となっている。全部で四階層から成り、各階の方々に碑文らしきものがある。とりあえず、一階が一番広く、二五種の絵文字で書かれた22個の碑文が発見される。そこでそれを対象に解読を試みた。答えから言ってしまうと、これは英語のアルファベットに一文字ずつ対応した文字置換型の暗号である。ここで、碑文の収集を一階に限ったのは運がよかった。というのは、二階以降では対応する文字を順に一つずつずらされているのだそうで、各階の文全てを対象としていたら解けなかったかも。
とりあえず簡単の為に絵文字をひらがなに置き換え、独断と偏見に基づき22の文から11を選んで下に記す。

仮置き 出現数 字形
25 V字
9 矩形
19 太陽
18 串団子
7
24
35 四つ鱗
35
22 矢じり
25 バトン
32
8 蟹座
7
9 菱形
1 /二本
1
3
2 渦巻き
1 /3本
1 /2本+X二つ
3 二重楕円
13 ノットイコール
1 はっぱ
7 カエデ
1 /5本

イ:うさきうえすせこのあきうねこかきくけ
ロ:うさきうえすせことあきうねこかきくけ
ハ;うさきうえすいきそあきうねこかきくけ
ニ:うさきうえすいうてあきうねこかきくけ
ホ:こあえしあこさかかきくけえき
ヘ:ししにあこちさすすにかきくけ
ト:こうにさせさせこさなにせ
チ:あいうえおあかきくけえこきさこあくし
リ:つにさういにあにせかきくけ
ヌ:さなにうたあくかきくけ
ル:せこねうこえこいにさしあさつくうち

まず、前提としてこれは英語だということにした。スペイン語とかイタリア語とかドイツ語とかタガログ語とかだったらもう無理。
そしてやたら頻出する「かきくけ」これは文末にばかり登場するのでおそらく一単語であり名詞なのだろう。だがホの文末に「かきくけ えき」となっているのが気になった。句動詞の形で「えき」が前置詞になったりするのかも知れない?

つづいて文字の出現頻度から考える。

Eというのは英語のアルファベットで最もよく使われ、その頻度は、どんな短文にもたくさん見つかるほどです。(中略)英語の語順では、Eのあとに決まってこれが来るというものがない。ある印刷用紙一枚の文章でとった平均順位も、短い文の中では逆転するかもしれない。およそのことを言えば、T、A、O、I、N、S、H、R、D、Lというのが出やすい順だ。だが、T、A、O、Iなどはたいへん拮抗している。
http://www.alz.jp/221b/holmes/danc.html

あうえかきくけこさ あたりがこの辺だろうが、かきくけが頻出しているのでそれに引きずられている可能性は高し。それでも最も多い「さ」はもうeと見なしていいのでは無かろうか。他はさっぱり分からない。

個別の文を検討する。まずイ〜ニの露骨な類似性はヒントだろうということで並べる。
イ:うさきうえす せこの あきうねこかきくけ
ロ:うさきうえす せこと あきうねこかきくけ
ハ;うさきうえす いきそ あきうねこかきくけ
ニ:うさきうえす いうて あきうねこかきくけ
このようにまんなからへんの3文字以外は全く同じ文である。変化している部分が3文字しかないにもかかわらずこれらが意味を成す文となるにはどうすればいいのかをさんざん頭をひねって考えた。助動詞や所有格だろうかとも考えた(例えばいきそ→him,いうて→her)ふと眺めていて気づいたことには、の、と、そ、て の四字が/ないしXのみから構成され、どうやら数字であるように思われた。ぶっちゃけそれに気づくまで相当時間がかかったのだが。とかく、棒の本数から の-5 と-6 そ-2 て-3 と帰属した。そしてそれらに隣接する2文字を序数詞の略記ではないかと考えた。
すなわち
イ:うさきうえす せ(h)こ(t)の(5) あきうねこかきくけ
ロ:うさきうえす せ(h)こ(t)と(6) あきうねこかきくけ
ハ;うさきうえす い(d)き(n)そ(2) あきうねこかきくけ
ニ:うさきうえす い(d)う(r)て(3) あきうねこかきくけ
となり、この文は右から左へ綴られているのではないか、ということになる。ここに気づくのにえらい苦労した。

以上を踏まえ、ついでに先述の理由から さ=e として全文を書き直すと
イ:けくnか tねrnあ 5th すえrner
ロ:けくnか tねrnあ 6th すえrner
ハ;けくnか tねrnあ 2nd すえrner
ニ:けくnか tねrnあ 3rd すえrner
ホ:nえ けくnか かetあしあえこ
ヘ:けくnか にすすeちtあにしし
ト:hになetheheにrt
チ:しくあtentえ けくnか あおえrdあ
リ:けくnか hにあにdreにつ
ヌ:けくnか くあたrになe
ル:ちrくつeあしeにdtえtrねth
となる。ここで問題になるのが かきくけ 改め けくnか の素性ということになる。ヌのようなかなり短い文にも文頭に来るということで動詞なのでは無いかという不安が鎌首をもたげるのだが、そこは無視して名詞とみなしてゴリ押すことにした。要するにホにおいて[No けくnか]となるのではないか、え=o ならイ〜ニの[すえrner]は[corner]ではないか、cornerに対応する動詞となると
[tねrnあ=turns]となるのではないか、とこのように[けくnか]が一般名詞なら芋づる式に決まりそうなのである。
その仮定の下に再び書き直し、turns同様に動詞が三単現ってると考えられるので けくnか 直後の文字列をsで区切ってみると
イ〜ニ:けくnか turns *th corner
ホ:no けくnか かets しost 
ヘ:けくnか にcceちts にしし
ト:hになetheheにrt
チ:しくstento けくnか sおords
リ:けくnか hにs にdreにつ
ヌ:けくnか くs たrになe
ル:ちrくつesしeにd to truth
以下、辞書のワイルドカード検索で分かるものから考える。
ヘ:にcceちts → 明らかにaccepts なので に=a , ち=p
チ:しくstento けくnか sおords → 最初swordsかと思ったが、
  listen to けくnか’s words と思い直す。 し=l, く=i, お=w
ホ:代入して no けinか かets lost → 明らかに か=g
というわけで けくきか=king であった。。。あの海底遺跡ってサザンクロスシティだったんじゃね?
残りもやっつけると
ト:haなe the heart → な=v
リ:king has adreaつ → つ=m
ヌ:king is たrave → た=b
コレにて帰属は完了。改めて書き下すと
イ〜ニ:king turns *th corner
ホ:no king gets lost 
ヘ:king accepts all
ト:have the heart
チ:listen to kings words
リ:king has a dream
ヌ:king is brave
ル:primes lead to truth
となり、どこかカタコトっぽい雰囲気ながらもいちおう意味は通じるのでコレで正解なんだろうと思った。